郵政20条裁判近畿集団訴訟和解

JANUARY 2024郵政産業労働者ユニオン

1/20/2024

非正規労働者が正社員との不合理な格差是正を求めた郵政ユニオン20条集団訴訟、近畿集団訴訟は2023年7月28日、大阪地裁で和解が成立し、原告66人に和解金が支払われた。これまで札幌、東京、大阪、広島、高知、福岡、長崎、全国7地裁で原告159人が争った全国集団訴訟は近畿訴訟で和解したことにより、全国での和解が成立となった。

2014年、東京、大阪両地裁11人の組合員が立ち上がった郵政20条裁判。住居手当、扶養手当や、有給の病気休暇、夏期冬期休暇など、手当・休暇の格差が違法であると、2020年10月に最高裁勝利判決を勝ちとり、その最高裁判決をさらに広げるため全国で展開した集団訴訟が和解したのだ。

会社にとって最高裁判決を受けて労働条件の見直しは必須の課題となった。無期転換後の非正規社員に30日または60日の有給病気休暇や、扶養手当や有給の生理休暇などが実現できた。これまで会社は非正規社員には、「NOWORKNOPAY」の原則と理屈をつけ徹底的に差別してきた。これに風穴を開けたことは、まぎれもなく郵政20条裁判の大きな成果だ。

しかし総体的には会社は正社員の労働条件を切り下げての『均等待遇』を進めてきた。一部正社員の住居手当を廃止したり、各3日あった正社員の夏期冬期休暇を各1日に削減し全員に各1日としたり、年末勤務手当を廃止したりと非正規社員の労働条件を正社員に引き上げるのではなく、最高裁判決の成果を消し込むこと躍起になってきたといっても過言ではない。また、会社提案を受け入れてきた連合労組の果たした役割も痛烈に指摘しなければならない。

非正規差別を容認してきた郵政の職場実態に、均等待遇実現への扉を開いた郵政20条裁判の闘い。まだまだ正規・非正規の格差は歴然としてある。例年取組んでいる均等待遇を求める非正規署名は累計で40万筆を超えた。毎年3月は郵政本社前集会を開き、郵政本社に全国の非正規労働者の思いをぶつけてきた。そのような闘いをとおして郵政20条裁判の勝利もあったと確信している。大阪全労協をはじめ、支援の皆さんのこれまでのご協力に心から感謝申し上げ、郵政ユニオンはさらに均等待遇実現の闘いをともに進めていくことを決意している。

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