連載「脱原発のための電気のはなし」 第10回「環境を破壊する再エネ」

JUNE 2022 大阪全労協機関紙

6/30/2022

この連載では「脱原発を進め、再エネの更なる普及を」と繰り返し述べてきた。脱原発を実現するためには、再エネは非常に重要である。しかしながら、再エネの中には環境を破壊するなど問題を抱えたものがある。脱原発のためとしても、環境破壊の再エネを普及させてはいけない。では、環境破壊の再エネとは一体何か、以下で説明していこう。

国は再エネを普及させるため、「再エネで発電した電気を20年間固定価格で買い取る」という制度を設けている(この固定買取価格制度は「FIT」と呼ばれる。)。FITの対象として太陽光、風力、水力、地熱、そしてバイオマス発電がある(エネ庁サイト「固定買取価格制度の仕組み」図、参照)。

バイオマス発電とは動植物由来の燃料を燃やすことにより発電する。これらの燃料は元々大気中にあったCO2を吸収しているので、発電で燃やす時に出るCO2は地球温暖化に影響しないとされている。間伐材やおが屑などの木質廃棄物や、家畜の排せつ 物 を 発 酵さ せ て 発 生するメタンガスを 燃 料 と するバイオマス発電 は 環 境 を破 壊 せ ず、林 業 や 畜 産業 の 振 興 に役 立 つ の で問 題 は ない。ハ ゙ イ オ マ ス発電で問題となるのは、パーム油発電である。

熱帯雨林を破壊する再エネ

インドネシアとマレーシアで熱帯雨林を切り開きアブラヤシが栽培され、このアブラヤシからパーム油が生産されている。パーム油を液体燃料として発電するのがパーム油発電で、これがFIT対象のバイオマス発電に含まれている。パーム油を使うということは、アブラヤシ栽培のために熱帯雨林の破壊を招くことなる。熱帯雨林を破壊する発電が「環境に優しい」とされるFITに含まれているのは、矛盾としか言いようがない。

悪臭と騒音

パーム油発電のもう一つの問題は、発電時の騒音と悪臭である。パーム油発電はディーゼル発電機を使うのだが、発電時には騒音と悪臭のする排ガスが発生する。近隣住民は常時この騒音と悪臭に苦しめられることになる。

この様にパーム油発電は燃料の調達と発電の両方で環境を破壊することから、各地で反対運動が起きている。私たちも、再エネ由来の電気を使う際、そこにパーム油発電が入っていないか注意しよう。

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