いまこそ最低賃金の大幅アップを
MARCH 2022全労協
全国一律で1500円に
なったら大きく変わる
最賃引き上げは世界の流れ
世界では最低賃金を引き上げる流れがあり、 アメリカではファストフードの労働者が中心に なって声をあげ、2025年までに段階的に時給 15ドル(約1656円)へ引き上げる法案が提出 されています。また、「コロナ危機だからこそ賃 金保障を」と最低賃金を引き上げた国も少なく ありません。
日本の最低賃金は、労働者の声を受けて、 この5年で全国平均107円上がりましたが、さ らに声を上げてあげていく必要があります。 最低賃金引き上げキャンペーンを通じて、すべ ての労働者が力を合わせましょう。
労働組合で賃金を上げよう! 雇用を守ろう
日本の非正規労働者は、雇用労働者全体の 約4割を占め、その多くが最低賃金水準で働 いています。雇い止めの不安や待遇への不満 を抱える労働者にとって、賃金引き上げと雇用 の安定は、「生存権」に直結します。とくにコ ロナ危機のなか失業や倒産、自殺者も増えて います。労働組合に入って雇用を守り賃金を 上げましょう。
最低賃金を上げれば、労働者全体の賃金も上がる
全国で「最低生計費調査」がすすみ、私 たちが人間らしく生活できる一カ月の費用 は25歳単身者でも「22~24万円」と結果 が出ました。全国の最低生計費には大き な差はなく、時給に換算しても「1450~ 1600円(月150時間労働)」が必要になり ます。今の最低賃金の水準では人間らしい 生活はできません。 一方、最低賃金は、各地方の最低賃金 審議会で公益委員と労働者 委員と使用者委員(経営者 など)の代表が議論して毎年 10月に改定されます。議論は 非公開がほとんどで経営者 側は「支払い能力に限界があ る」と主張し「賃 金か雇 用か」と最賃引き上げを拒否してきました。
しかし、最低賃金時給額の地域間格差 は年々広がっており、若い労働力は地方都 い生活」ができ る水準に引き上げなければいけません。市から都市部へ流失しています。そもそ も、コンビ
ニのように同じ値段の商品を販 売していても住む場所で賃金に格差が出 るのは不公平です。最低賃金は全国一律 にして、どこでも「人間らしい生活」ができ る水準に引き上げなければいけません。
=== 最低賃金を上げれば、労働者全体の賃金も上がる ===
日本の労働者1人の「1時間当たりの賃 金(残業代含む)」は、1997年の賃金を 100とするとマイナス11%と下がり続けて います(経 済 開 発 協 力 機 構 O E C D 調 査 )。ほ か の 先 進 国 で は 、アメリカ 122%、韓国157%、イギリス130%、ド イツ123%のプラスとなっており、大きな 問題です。
最低賃金額を改正すると、改正後の最 低賃金額を下回る労働者の賃金は、大き く引き上がります。賃金構造基本統計調 査(厚生労働省)ベースでみても約360 万人の労働者の賃金に影響します。最低 賃金の運動は正規・非正規すべての労働 者の賃上げにつながります。