大阪全労協機関紙2022年1月364号

JANUARY 2022大阪全労協機関紙

1/1/2022

新型コロナが示した現実
いまだ不安定な中で、コロナ危機3年目が明けようとしている。温暖化問題とともに地球環境破壊が人類にもたらした災禍である。新しい感染症に社会がフリーズしたかに見えた数年の中で、コロナ危機は今の社会システムがいかに不平等で、理不尽で、残酷なのかを露わにした。企業の内部留保は484兆円に積みあがったが、非正規雇用、女性、外国人…、社会的弱者は雇用を奪われ、暮らしを破壊され、命すら脅かされている。危うい地球環境の上に立つ現システムでは、社会的弱者はいつも崖っぷちで安心して生きていけないことをコロナの一撃は満天下にさらした。

フランスでは原発政策の反動としてグリーンエコノミーが台頭し、ドイツでは社民、緑の党などが政権につき、環境政策や、ベーシックインカムが論議され、アメリカではブラック・ライブズ・マター運動が起きた。新自由主義を礼賛してきた世界経済フォーラムが、社会と経済を見直す「グレートリセット」を言い出し、日本でも岸田政権が「新しい資本主義」を提唱している。このままでいけば、地球環境も多数者の暮らしも、破滅していくことが見え始めているのだ。

厳しい日本の状況
さて、どうしていくのか?格差は広がるばかりだが、日本では「親ガチャ」という流行語にあるように、受け入れるしかない運命のような「自己責任論」がまん延し、変革ではなく弱者への攻撃へと向かう危うい状況が生まれている。昨年の衆議院選挙で憲法9条改憲勢力が過半数を超え、まともな外交を放棄し「敵基地攻撃能力」が持ち上げられている。排外主義があおられ、ヘイトが横行し、沖縄の民意は踏みにじられ続けている。新自由主義の〝弱肉強食〟に抗い、反戦反基地・反原発・反改憲とモノ申す労働組合や市民運動には、連帯労組関生支部に見られるような弾圧が躊躇なくなされた。

働く者や弱者の声が響く社会を
なかなか大変な情勢だが、闘う労働組合・市民運動は健在だし、やることは多い。今年は大阪全労協30周年事業もおこない、世代交代もめざす。働く者や弱者の声が響く社会は、今この私たちの闘いの中からしか生まれない。弾圧や困難を他人事にせず、多様な労働組合の相互尊重、社会連帯をめざし、2022年もともに頑張っていこう!

 

新年のあいさつ
議長 但馬けいこ

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