台湾旅行であった許せないお話 〜格安航空会社、車イスの乗客に別途料金請求〜

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○2011年5月17日にジェットスター航空日本支社長に向け「質問書」を内容証明郵便で発送しました。
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 大阪全労協傘下の組合である大阪教育合同組合員大椿裕子さんが4月22日(金)より、車イスに乗った障がい者の友人と共にと台湾に旅行に行きました。そのときに航空会社から障がい者差別ともとれる許せない対応を受けました。以下報告します。

 週末を利用し、車イスに乗った友人と共に台湾を旅してきた。今回利用した航空会社は、メルボルンに本社を置く格安航空会社Jetstar。その破格値を売りに、明るさと元気さが印象的なタレント、ベッキーをCMに起用し、大々的に宣伝を繰り返しているので、ご存知の方も多いだろう。 エコノミークラスのチケットにはサービス料金が含まれていないため、機内食、飲料、ブランケットなどを希望する場合は別途料金が請求される。(持ち込みは自由)映画や音楽などのエンターテイメントを楽しむのにも別途料金が発生する。そういったサービスや、そこにかかる人件費を削減することによって、チケットの格安化を実現している。利用する乗客も、その点は了解済みであることが求められる。台湾までのフライト時間、約3時間。この程度のことは十分我慢が出来る。しかし、車イスの友人と旅をしたことにより、格安航空会社の問題点に直面することとなった。
 
 搭乗・降機の際、空港スタッフが手伝うこと、機内乗り入れ用の車イスを貸し出すことを理由に、現地で別途料金を請求された。出発便の関空で、帰国便の台湾桃園国際空港で、チェックインを済ませチケットを手にした後、グランドホステスからその事実を伝えられた。関空では「手伝ってくれた空港スタッフに280元支払って下さい。」と言われ、台湾桃園国際空港では「300元支払って下さい。」と言われた。
 通常このような場合、別途料金を請求されることはあり得ない。手伝ってくれた空港スタッフが「チップちょうだいよ。」とコソッと言ってくることはあれど、今回のように航空会社を通して別途請求してくることは初めての経験だった。

 帰国の際、Jetstarのチェックインカウンターで、私達は30分以上に渡り交渉し続けた。現地ツアーガイドさんに通訳してもらい、「なぜ、お金を支払わなければいけないのか?」「障がい者の乗客から別途料金を請求するのは、どういう考えに基づいているのか?」「その決定は台湾桃園国際空港の決まりか?それとも、Jetstarの決まりなのか?」「空港の決定だとすれば、他社の航空会社を利用する全ての乗客に同様の請求をしているのか?」「そのお金は、誰の手に渡り、どう使われるのか?」と質問を浴びせたが、グランドホステスも対応に困り(「いい加減にしてくれ〜(>_<)」という表情丸出し!)、結局「それが仕事だから」と押し切られ、最後まで納得いく説明はなかった。結局友人は、対応してくれた空港スタッフに300元を支払うこととなった。。
 ツアーガイドさんの話によると、「車イスのお客さんの対応は何度かしたが、こんなことは初めて」とのこと。後に、何度か台湾を訪れている車イスの友人にも尋ねてみたが、「今まで一度も請求されたことはない」と言う。どうやら、空港の決まりではなく、Jetstar独自の対応のようだ。

 帰宅して、すぐさまJetstarのコールセンターに電話。事情を説明すると、「日本やオーストラリアでは別途料金は頂きませんが、東南アジア地域ではお金を頂くことになっています。マニュアルにそう書いてあります。」と一言。「顧客はマニュアル見られないだろッ!」と言うツッコミは置いといて、「別途料金について、私たち顧客が見ることが出来るHP等の媒体に明示されていらっしゃいますか?」と言うと、長い間待たせた結果「私どもの約款にはそう書いてあります。」との回答。HPにアップされている約款に一通り目を通したが、車イスの乗客には別途料金が必要とは書いていない。その点を鋭く指摘すると、相手はその事実を認めた。
 「車イスの方には、予約の際にご報告いただくことになっています。」とも言われ、「車イスに乗っているということを、そちらに絶対報告しなければいけないという義務はありませんよね?」と伝えると、「そうですね・・・」とあきらかに不満そうな返事。未だ搭乗拒否する航空会社が多い(特に車イスでの単独搭乗を拒否する航空会社は多い)のに、そう易々と「私、車イスに乗っているんです。」なんて言うもんかい!!

 「Jetstarが、機内食を出さない、ブランケットを提供しない、そういう形でコストを削減し、格安航空券を提供している旅行会社だということは理解しています。しかし、あらゆるサービスを削減しているからといって、障がい者の乗客に対する基本的なサービスに関し、別途料金を請求するという考えには納得ができません。どういう企業精神でその方針になったのか理由を聞かせてほしいのです。」と伝えると、「私では十分な回答は出来ないので、マネージャーと話してください。」と言われ再度連絡することになった。

 今回の別途料金の請求が、Jetstar独自の方針である可能性は高い。チェックインも済ませた後で、「はい、別途料金いただきます」と言われても、こちらは今更搭乗を取りやめることも出来ない。搭乗するためには不本意でもお金を支払うしかないという、選択肢のない状況に置かれる。
 友人は言う。「車椅子は私にとって、荷物やアクセサリーではなく、足であり身体の一部です。空港が用意した車イスに乗る時、身体の一部を切り離し他者に預けることへの不安や、体に合わない車椅子への移乗時・使用中の身体的負担が発生します。大変であれば利用しなければ良い、価格が安いのだから仕方ないというような安易な問題ではなく、どんな人も利用できるよう作られていない設備・制度自体に疑問を覚えます」と。
 障がい者の人たちが、搭乗直前に不愉快な思いをしなくてすむように、「私たちの企業は、障がい者の方の対応をさせて頂いた場合、別途料金を頂きます」と、顧客の目につく媒体にハッキリと明示すべきではないだろうか。そういう企業は予め選ばないという選択権をこちらにも与えてほしい。機内食の提供と、支援がなければ搭乗できない障がい者への支援を同列の発想で考える企業は、こちらとしても事前にお断りしたい。
 私たちは、どういう根拠に基づき、車イスの乗客に別途料金を請求するシステムになったのか、原因解明のため、今後もJetstarとの話し合いを継続していく予定です。今後の展開、こうご期待!

  破格の安さには罠がある!