大阪全労協第27回定期大会
   憲法破壊を許さず 労働者の権利と尊厳を闘い取ろう!
           7月30日(土)  エルおおさか

参議院選挙を受けて
 惨憺たる有様に言葉を失う。自民・公明党の圧勝であるが、とくに大阪では改選議員4名全員が改憲派でしめられるという状況と
なり、維新の強さを改めて痛感するところとなった。
 以下に述べるように、アベノミクスの失敗、立憲主義の否定、格差拡大と働く貧困層の増大、と安倍の政治は徹底した金持ち・大
企業優先であり、多くの人々が生活が困窮し、長時間労働と職場のハラスメントに苦しめられている状況は、安倍の政治にその責任
があることは明白であるが、主権者は安倍政権の継続を選択した。

 安倍は、本来最も主張したい改憲を選挙の争点からあえて外し、労働法改悪も選挙後まで封印し、アベノミクスの推進のみを争点
とした。それがあたったともいえるが、しかし、アベノミクス自体は破綻しているのであり、そのことが主権者の目に十分に届かな
かった、のであろう。

 むしろ、北朝鮮の核開発や中国軍艦の尖閣諸島への接近など、対外緊張が軍拡路線をとる安倍政権への追い風となった。また、直
近のイギリスのEU離脱決定とその後の政治経済の不安定化は、安定を求める民衆心理として政権への支持につながったとも思える。
 来年は、いよいよ憲法改定の発議があり、また衆議院選挙も想定されている。私たちも改めて、政治闘争に具体的に関わ
ることを考える必要がある。

 

選挙の結果は、「アベノミクスの力強い推進」を民意が選択した、ということになった。しかし、本当に今の問題はそうだろうか。
そもそも、その理屈は、「トリクルダウン」などとの英語に表される、富めるものが富むとその冨が溢れ出し庶民の所まで落ちてく
る、というものである。
いつまで待てばそうなるのだろうか。その間にも非正規労働者は増え続けている。昨年の段階で37.5%、
1980
万人となっている。今年5月の資料では、正規職が久しぶりに1.7%増加したが、パートは2.6%の増加となり、やはり非正規
労働者が増え続けている
こととなっている。

 5人以上の企業の賃金は、全産業平均で2010年を100として2015年は99.0と減少している。本年5月の前年同月比でも0.1%減で
ある。(厚労省 毎月勤労統計調査5月分より)
同速報による前年同月比で、総労働時間は0.8%減。所定内賃金は0.1%減。総労働
時間は正規職は
0.3%減、パートは2.4%減、となっている。

 
 これらの数値を見ると、非正規労働者が着実に増加していること。労働時間は景気の低迷もあって減少しているがとりわけ非正
規職の労働時間が減少している。逆に言えば、正規職員は相変わらず長時間労働を強いられている、ということになる。
 その一
方、財務省の
20151012月の法人企業統計によると、企業の利益剰余金は355兆円。12年同期の274兆円から81兆円増と、アベ
ノミクスの3年間で3割も増えている。(日刊「現代」
2016/3/21
 安倍が言う「世界で一番企業が活動しやすい国」作りが着々と進んでいる様子が明らかであろう。
 201411月から、年金基金の運用枠を国債から国内外の株式へと大きく動かし、株式市況を買い支えるということをして、アベ
ノミクスの失敗を糊塗しようとした。ところが、株の割合が多くなっているために、現在の株式市況の低迷で年金基金は5兆数千億
円の運用損が出てしまっている。

 これらを見ると、実感として多くの住民が感じる景気の低迷感が間違いないことが明らかで、アベノミクスは失敗した、と断言で
きる。そして、国の借金は
2013年度の705兆円が2016年度の838兆円へと133兆円も増大した(財務省ホームページより)。これらも、
国債を日銀が買い支えるという禁じ手で見かけの株式市況を支えてきたその結果である。
                

 
【新自由主義との闘い】
 これらの数字に示されるアベノミクス―世界的には新自由主義の破綻に対して各国で流れを変えようとする運動も明らかになっ
ている。ひとつには、アメリカ大統領選挙でのサンダース旋風であり、スペイン国会選挙でのポデモスの躍進である。

 サンダース氏は社会民主主義者であるし、最賃15ドルや、公立大学の無償化、大学の学資ローンの低減、TPP反対を訴えている。
 ポデモスは、ウォール街選挙運動の先駆けとなったマドリードの広場占拠運動に端を発している。若者が運動の核を担い多くの世
代から支持を急速に集めたこの政党は、反緊縮を掲げ、ベーシックインカム制度の導入、大企業規制と中小企業の振興を政策としている。

 世界を席巻している新自由主義が、失業と貧困をまき散らしている現実の中で、大企業優先の政治の転換を図る動きが確実に始まっ
ている。
 私たちも、これらの潮流と連帯して、新自由主義と対決していこう。
 
【労働法制改悪を阻止しよう】
 昨年は戦争法の陰に隠れて、派遣法の改悪が強行された。労働者は3年で首を切られるのに、企業は労働者を替えれば
いつまででもどんな業種でも派遣を使えることになった。これまで使い勝手の悪かった派遣法が企業が使いやすいように
改悪されたのである。

 そして今、残業代ゼロ法案、その先には解雇金銭解決法案が出されようとしている。経団連の目論見は、正社員はすべ
て残業代なしを目指している。とんでもない労基法の根本的改悪である。また、これまで解雇するためには、合理性が必
要であったが、それらを取っ払い、金銭を出せば解雇できるようにしようとしている。先にも述べたように、企業は内部
留保をため込み、解雇したくなれば金を積めばよい、というそれこそ「世界で一番企業が活動しやすい国」を労働者の犠
牲の上に作ろうとしている。

 私たちの先達が営々として犠牲を払い勝ち取ってきた労働者保護の体制を絶対に破壊させてはならない。

 
昨年、世論の反対を押し切り、憲法に違反する戦争法を安倍政権は強行成立させた。今後は、具体的に自衛隊を戦地に送ることに
なる。いよいよ自衛隊―日本軍の戦死者もしくは自衛隊―日本軍が世界で人を殺す時代がやってこようとしている。世界に高く評
価される戦争放棄の憲法を持ったこの国をそんな国にしてはならない。 

 
前田顧問からの提言
彼らのスロ−ガン「後ろに戻るか、前に進むか」一般の人たちは維新を改革派としてみている。戦後民主主義が、ここまで澱んで
きたのは「労働組合」「公務員」が悪いのだ!に、納得する人たちがいるという現実を、われわれは分析できていない。維新など
一過性のモノだと想っていたがそうではない、われわれの運動の中で討論していかなくてはならないのではないか。
 
 自民党を支持する人も含めて、この憲法9条に対する改憲には半数以上の人達が反対している。だからこそ、安倍自民党は選挙
の争点から改憲を外してきた。外しながら、選挙後には改憲を画策するという姑息なやり方は安倍晋三にしみこんだやり方なのか
も知れない。

 戦争で平和は作れない、ということは、世界の警察を自認する突出した軍事力を持つアメリカの21世紀に入ってからの戦争政策
を見ても明らかである。ブッシュ・ジュニアのアフガニスタン・イラク戦争は大義の無いままに始まり、アメリカ・イギリスでもそ
の検証が進んでいる。ところが、アメリカの情報操作のままにイラク戦争を支持した自公政権は未だになぜアメリカの誤った戦争を
支持したのかについて知らぬ顔を決め込んだままである。自公政権の言う普通の国とは、主権者にキチンと説明しないままに戦争を
行い、戦争が誤った情報に基づいていたとしてもそれを検証しないままという、まさに「知らしむべからず、よらしむべき」という
独裁である。
       9条を守れ、という声を大きくし、決して改憲をさせない闘いの一翼を担っていこう。

 
 TTPを推進していたはずのアメリカの大統領候補達が軒並み反対を言い始めている。「愛国」的な人士はそうなる。自国
産業の崩壊を前提とした自由貿易など普通は反対である。新自由主義の元凶である多国籍企業が、労働力と消費地を求めて
自分に都合の良い自由貿易を実現しようとしている。農業・畜産業の破壊、医薬品や金融などで域内住民を利害を考慮しな
い制度であり、その詳細を説明しないまま国会批准を強行しようとする安倍政権は亡国の政権とも言える。
 何が「美しい日本を取り戻す」だ!

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沖縄の闘いに連帯しよう!

 オール沖縄の闘いが困難を乗り越えて進んでいる。戦争するための軍隊
が多数常駐する沖縄で、戦争の惨禍が基地から染み出してくる、と言われ
ている。人を殺す、しかも、敵と住民が分けられない戦争を戦い続けるア
メリカ軍にはその心を病む兵士が出続けることはある意味で避けられない。
戦後アメリカの極東戦略のために捨て石とされ、人権を侵害され続けてきた
沖縄は今「オール沖縄」の言葉通り保守から革新までが「辺野古基地を認め
ない」と反対運動を続けている。主権者を守るべき政府は、逆にアメリカの
利害の防波堤となり、オール沖縄の世論を押しつぶそうとしている。

 基地被害の根絶を願い、辺野古基地は認めない沖縄の闘いに連帯していこう!

国境紛争の拡大は産軍複合体の戦略!

 沖縄の人々の思いは平和である。古くから中国と日本の間で、守礼の国として友好関係の中で生きてきた人々の思いは、軍事対決で
なく、平和共存である。私たちの思いもそうである。

 世界中で様々な紛争が生起する中でも東アジアは戦後一貫して緊張関係にあり続けてきた。石原元都知事の「都が尖閣を買収する」
という唐突な提案から日中関係はギクシャクし続けている。不況だ、経済の停滞だという中で、軍事費は着々と増大している。アイゼ
ンハワーが大統領辞任演説で「産軍政複合体の脅威」を口にしたことは有名だが、まさしくその通りになっている。私たちは、そのよ
うな軍事優先の政策を拒否する。沖縄の人々と共に、東アジアの緊張を緩和し、憲法9条を基調にした平和な東アジアを作り上げよう。

 
休憩をはさんで先ず、「フツーの仕事がしたい」上映。1時間余。英語字幕でよくわからない部分もあったが、有限会社東都運輸
での争議のドキュメント。長時間労働、残業代不支給で限界に達したセメント輸送の運転手が連帯ユニオンに加入、直後に脱退強
要、その後、お母さんが亡くなり火葬場へ会社側が押し掛け騒ぐ。本人も小腸穿孔で緊急手術・入院。元請け住友大阪セメント社
前での抗議行動。門前にスクリーンを立て、会社の攻撃のドキュメントの上映も。大闘争の末、社会保険加入、残業代支払いのフ
ツーの会社になった、という。
 

 
                        

 

 
土屋トカチ監督「憲法28条と労働組合法で、2人以上で労働組合を作れる、世界でも労働組合を作りやすい日本。1人でも加入
できる労働組合(ユニオン)もある。

トークセッション(すこし紹介)
 

S(関西学生アルバイトユニオン=昨年2月結成、男性)
学生へのアンケート結果の報告とそこから見えてくるもの。京都で、ブラックバイト反対デモもした。

 監督 労働映画で、世界各地で賞をいただいた。ドバイでは賞金も300万円以上で、当時の年収の2倍だった。自分が20年以
上前の学生時代には、学生が労働組合をやるという発想はなかった。

関西学生アルバイトユニオンを何故学生がやろうと思ったのか?

  学生自治会が消滅し、自治会再建で始めた。集団でやることの意義。仲間、連帯をどうやったら作れるのか…と。

司会 学生時代は、私は行動するという気持ちはなかったが…。

  「就活(就職活動)のためにバイトを辞めたいのだが…」などの相談があり、相談場所かユニオンかと考え、ユニオンという
主体を作った。1回やると楽しい。今まで、共同で何かをするという経験がなかった。

 H(関西学生アルバイトユニオン、女性) 
 相談者と一緒に考えることが大切。ユニオン結成のきっかけは、土屋監督の映画やプレカリアートユニオンが刺激になった。

監督 自分の労働争議の撮影は少しやったが、続けるのは辛かったし、できなかった。

  

以下、会場参加者を含めて話されたテーマの概要

 新聞奨学生は、賃金の一部が奨学金ということになっているだけで、労働条件も悪い。
アルバイトが「バイトリーダー」にされシフトの調整責任を負わされている。
高校では、バイトで試験に来れない生徒が多く、追試を1カ月ぐらいやっている。
私大の学費を下げろ!。学生自治会がない今は学生の意見が反映できる場がない。
以下、終盤です。

 
韓国のアルバイト労組組合員(解雇争議)の女性からアピール

映画を作っている。9月に公開予定。「カヒョンたち」(仮題) 

最後に、ひと言。
監督
 引越社(アリさんマークの引越社)には採用しない基準があり、労基法に詳しいやつ、親が教師や弁護士など。 

 関西学生アルバイトユニオンを相談機関ではなく、学ぶ場、楽しい場にしていく。

  連帯の作り方が未だ判らない。実験を色々したい。 

すこし、きつい闘い、いえ、めまいだけが残りそうな厳しい闘いが強いられるけど、労働者の権利と尊厳を希求し闘いぬこう!