「戦後70年 岐路に立つ日本社会」           平和をつなぐパネル展 特別企画講演会
                          お話 高橋 哲哉さん
                     7月20日  ホテルリバティプラザ

「靖国問題」等著書多数、政治・社会・歴史の諸問題を論じられている高橋さんのパネル展前のお話です。
  
自衛隊の活動が一挙に拡大
 今憲法が停止されている状況にある。憲法違反はそのとおりですが、さらに深刻な「憲法無視」の状況にあります。ナチスが
33年に造った「全権委任法」
  1条に「ドイツ国の法律は、憲法に規定されている手続き以外に、ドイツ政府によっても制
定されうる
・・・   2条 「ドイツ政府によって制定された法律は、国会および第二院の制度そのものにかかわるものでな
い限り、憲法に違反することができる・・・
   憲法には手をつけず、憲法違反の法律をつくって、憲法違反を実行しようと
しています。
9条以外の憲法も同じことができることになります。あやうい岐路に立っています。
彼は「私たちの目指している法律は正しいと思いますよ、何故ならば私が内閣総理大臣だから」??

 
自衛隊のリスクが高まるのではないか?の問いに
「リスクを高めるためにやっている。」と以前2004年の著書で言っています。「我々には新たな責任というものがあるわけです。
日米安保条約を堂々たる相互性にして、云うまでもなく軍事同盟とは血の同盟です。日本がもし外敵から攻撃をうければアメリカの
若者が血を流します。しかし今の憲法解釈ではすくなくとも日本の自衛隊はアメリカが攻撃された時に、血を流すことができない。
完全なイコ−ルパ−トナ−と云えるでしょうか」

相互的な血の同盟としての安保条約を完成させる、彼の政治的姿勢。リスクが高まらないと云うのは嘘八百。

時として命を投げ出す人がいないと国家は成り立ちません。その人の歩みを誉め讃えることを国家が放棄したら誰が国の為に、汗や血
を流すか?つまり靖国神社の問題は国家の問題。国のために血を流した人の歩みを顕彰する為に私は靖国神社にいかなくてはならない。
つまり過去の戦死者への慰霊のためではなく、彼の考える安全保障のため。参拝と集団的自衛権行使はつながっている。

 安倍政権の歴史認識

戦後70年談話は「植民地支配」や「おわび」を含まないものになるのではないかと予想されています。
「我が国は過去の一時期、国策を誤り、戦争への道を歩んで国民を存亡の危機におとしいれ、植民地支配と侵略によって、多く
に国々、とりわけアジア諸国の人びとに多大な損害と苦痛を与えました。私は未来に過ちなかりしめんとするがゆえに、この疑
うべきもない歴史の事実を謙虚に受けとめ、ここに改めて痛切な反省の意を表し心からのお詫びを表明します。又この歴史のも
たらして内外すべての犠牲者に深い哀悼のいを捧げます。」

確かに戦後50年村山首相談話がでて、慰安婦問題に関しては河野長官談話もでました。細川首相は韓国の議会で植民地支配について
創氏改名や日本語の強制にもふれながらおわびもしました。が、すぐにそれを否定する発言でアジアの人々から信用されていない。村山
首相談話、河野談話を見直さなければならないと野党時代に述べています。
 

安倍さんは「植民地支配と侵略」が認めがたい。どちら側から見るかによって侵略の定義は変わる。と本当に想いたいし、言いたい。
だから国会答弁ででてしまうけど、国際的にはまったく通用しない。

  
私たちの歴史認識の瑕疵
松下村塾で身分を問わず、人を育てた吉田松陰。明治を築いた元老たちを育てました。戦前は神格化されていましたが、今全国の
小中学校の「道徳」の時間で「評価」をつける科目となりました。今の政権で教育改革に邁進しています。


1932年まで使われた「尋常小学修身書」巻五
吉田松陰は長門の人であります。・・・松蔭は外国に事情がわかるにつれてわが国を外国に劣らないようにするには全国の人に尊皇
愛国の精神を強く吹き込まなければならないとかたく信じて、一身をささげて此の事につくそうと決心しました。・・・松蔭は至誠
を以て人を教えればどんな人でも動かされない者はいないと深く信じて「松本村は片田舎ではあるが、この塾からきっと御国の柱と
なるような人が出る」と言って弟子たちを励ましました。尊皇愛国の精神を全国に広めようとした人だったからです。
 主婦の務  松蔭の母が取り上げられています。いつも我が子を励まし尊皇愛国の道に尽くさせました。とあります。

安倍政権の元で進められている教育改革

2006年の暮れに教育基本法に手を付けています。憲法13条になる「すべての国民は個人として尊重される、生命および自由、幸福
の権利は公共の福祉に反しないかぎり・・」
憲法は国家権力に対して個人の権利を守るものとして創られていますが、愛国心教育の導入
に成功しました。
 

 
幽囚録(松蔭が幕府に処刑される前に書かれた)

(中略)今急いで軍備をなし、そして軍艦や大砲がほぼ備われば、北海道(原文は蝦夷)を開墾し、諸藩主に土地を与えて統治させ、
隙に乗じてカムチャッカ、オホ−ツクを奪い、琉球にもよく言い聞かせて日本の諸藩主と同じように幕府に参観させるべきである。
また朝鮮を攻め、古い昔のように日本に従わせ、(「神功皇后の三韓征伐」敗戦にいたるまで日本の子ども達に教えられていました)
北は満州から南は台湾・ルソンの諸島まで一手に収め、次第次第に侵攻の勢を示すべきである・・・

吉田松陰大陸南進論 福本義亮著
日本が大陸と南方に支配を広げていく使命があると信じられていました。この祖として松蔭が神格化されていました。
(中略)更に我が上世の歴史を観ると、大陸からも大洋からも、日本を中心として寄り集り来る国である。世界の隅から隅まで、あらゆ
るものが、この大和島根を根幹として、つどい群れり来つて、正解の興隆をなすべきものであると考えられていた。
日本を中心として、
世界がより集まって国、大和が新秩序を建設する、アジア大陸から太平洋から日本を中心として皆がより集まってくる国なんだと。
連み群れ来たって世界の交流
(後略)

 
右写真上 600万と呼ばれるユダヤ人の殺害。ワルシャワ・ゲット蜂起記念碑に、70年代に加害国の首相としてブラントがポ
−ランドを訪問。ひざまずいて祈りを捧げる。
        右写真下吉田松陰を称える神社に参拝する安倍晋三首相

松蔭の尊皇愛国の思想・海外侵略の思想については、首相はまったく言いません。が、そこに歴史認識の落とし穴があるのではない
でしょうか。「日本が再び世界の中心で活躍する国になろうとしている」昨年、訪米を締めくくる内外記者会見で、こう発言しました。
これはニュ−スでも放映されましたから、ご覧になった方も多かったと思います。
日本が敗戦後、70年目の今年、日本がどういう状況にあるのか、過去の歴史を振り返りつつ、平和をつくりだしていくという想い
を共有できれば


平和をつなぐパネル展 7月25日〜30日
 
日本はずっと戦争をしてきた                 アジア太平洋戦争の戦場

 
堺大空襲

 

 

 
沖縄戦                           日本による朝鮮植民地支配

 

 
日本軍「慰安婦」