職場の人権 月例研究会
政策との乖離のなかで「介護労働現場の現実と課題」

                                         報告者 尾辻かな子さん
 
事業者向けの「介護報酬」が今年4月から2.27%引き下げられています。介護労働緒の過酷な労働環境、低賃金など、労働条件
がそぐわないことは従前から言われていることです。2025年問題(高齢者率が40%に達する)はまったなしです。数十万人の
介護労働者が不足するといわれるなかで、大阪府会議員・国会議員の経歴を経て、5年前から介護現場で働いていらしゃる尾辻さん
の現場報告です。

 
介護保険が改正に改正をかさねるうちに、細分化して、今では誰も、この制度の何が問題なのかも判らなくなっています。とどの
つまりは相談員にまかせるしかない現状があります。昨年労働情報に寄稿された「感情労働が報われる日」
尾辻さんのお母さんが入っていたディサ−ビスはレスパイト(家族に休んでもらうこと)を目標としています。介護はゴ−ルがどこ
にあるか判らないマラソン。一方経営としては、人件費を削り利益をだすしかない。業務手当1万円で残業代なし、ホドホドのブラ
ック企業でなければなりたちません。親を尊び孝を重んじるべきですが、金を尊び金を・・にならざるを得ません。

 

尾辻さんは議員時代、お家のなかに、地域のなかに、こんな色んな人が居ることを知らなかったとのこと。今でも自分が「頭でっか
ち」と言います。胃ろうであっても80歳〜90歳までサ−ビスを受けていなかったお年寄。利用者の誕生日祝いをやれば、家族に
迷惑をかけていると潜在的に思っているから大変喜ばれます。「現場」では「あなたはすぐ辞めないよね」っと涙ながらに言われる。

 
尾辻さんは、これまで新聞広告で介護現場を渡り歩き、今はリクナビで介護付有料老人ホ−ムで働いています。日本一の規模の会社
ですが、24時間365日営業で、定型勤務はあり得ませんから時差ボケの感覚。働く人は奉仕の心を持たないと勤まりませんし、
奉仕の心を持っておられる方が大多数ですから、労働組合の組織化も・・・なかなか。
水野博達先生は近著「人は生きてきたようにしか死ねないのか」介護保健と階層化、格差化する高齢者を表されましたが、介護保険
の導入の経緯から、この制度は必ず破綻すると断じられています。他、介護現場で働いてきた方々の報告が続きました。
施設の稼働率が96%ないと、何処の現場でも経営が成り立たないそうです。当然、無理がでます。老後が不安になりました。

 

新聞記事 人ぶそくゆがんだ介護   新聞記事 介護報酬の減額 現場では 

新聞記事 人手足りず 虐待     新聞記事 取得しても待遇は