保守的労働運動から訣別し 進歩的労働運動を  めざそうよ      

 

 年末の朝日新聞世論調査によれば、20代の7割は自民党を「変革」の党だと考えている。調査の正確さや民主党政権の失敗はさておくとしても、自公与党が国会で安定多数を占めているのは偶然ではないわけだ。また、個人的な情報で普遍性がないかもしれないが、40代の革新的といわれる某労組系単組委員長は「維新の会を支持する。ヘイトスピーチに共感できる」と語ったという。 今、「労働組合のイメージ」について世論調査が行われると、「保守的」という回答率が高くなると思われる。そうすると、自民党が「革新」で、労働組合が「保守」になるのだ。
 20年ほど前になるが、故山川暁夫さん(古参の全労協メンバーには馴染み)が、権利を守れ、生活を守れ、〇〇を守れという運動は、そのうち国を守れ、すなわち「護国」の運動になりかねないと、労働運動に警鐘を発していた。労組が保守化することへの警鐘だった。   

 警鐘むなしく、保守化した労組は、組織を守ることを優先し、時には組合員を守らず、ましてや職場の仲間である非正規労働者を組合には入れない。排他的な労組が完成した。その結果、既得権益にしがみつく労組が国を滅ぼすというプロパガンダに押し込まれることとなった。社会的に排除された労働者はプロパガンダに拍手をする。四面楚歌である。

 労組の抵抗を排除した企業・地方公共団体は、ブラック企業に成長する。そこでは労働者は奴隷以下に扱われる。労働力という商品の所有者でありながら、販売することが許されず、略取される。そこで手にしたわずかな金も「自爆営業」とやらで吸い上げられる。

 ブラック企業を退治するには労組しかない。

 労働力を正当な価格で販売する。手にした賃金で会社の商品を買うことはない。何を買おうが自由だ。会社に束縛されない自由な時間を取り戻すのだ。そのためには、労組をつくる、復活させるのが近道だ。

 労組は守りの運動から訣別し、攻めの運動、広がる運動、集まる運動に舵を切り替えよう。それは、職場の仲間に寄り添い、結びつき、団結することから始まる。40%になる非正規労働者を組合に獲得するために、権利を拡散することも考えよう。まずは労働組合主義に徹し、進歩的労働運動をめざそう。その先に、貧困、格差、差別、解雇、束縛、原発、戦争を食い止める地平が開ける。それはアジア・アメリカ・ヨーロッパの労働運動が共通に直面するテーマであり、グローバルな連帯が問われるところでもある。

 やりたい放題の安倍政権を打倒する2014年の幕開けである。

                                          大阪全労協 議長 山下 恒生